犬の避妊手術は、多くの飼い主さんがワンちゃんに受けさせるように推進されています。
しかし、この手術は健康な体にメスを入れるものです。
飼い主さんもワンちゃん自身も、不安がありますよね。
この記事では、
『犬の避妊手術』のメリットとデメリットについて解説していきます。
『犬の去勢』について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください
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去勢を愛犬にするメリット・デメリットは?術後はどうなる?費用は?
なぜ犬の避妊手術は必要なの?
今、日本国内における犬・猫の殺処分数は増加の一途をたどっています。
原因の一つとして、避妊手術を受けていない犬・猫が増えすぎたということがあります。
ペットショップやブリーダーなどを通して、子犬は里親に引き取られます。
悲しいことに、何らかの理由で飼育の出来なくなった無責任な飼い主のおかげで、殺処分されてしまうケースが後を断ちません。
それ以外でも、引き取り手が見つからずに野犬になってしまったり、多頭崩壊や虐待の被害に遭ったりと、不幸なワンちゃんがいるのは事実です。
犬の避妊・去勢手術は、こうした現状を減らすために必要とされています。
犬の避妊手術のメリット
犬の避妊手術は、
最初の発情期に入る前に受けさせる飼い主さんが大半だそうです。
主に下記のようなメリットが挙げられます。
- 乳腺腫瘍や子宮蓄膿症など、子宮の病気を予防できる
- 望まない妊娠をする心配がなくなる
- 生後6~10ヶ月あたりから見られる生理トラブルを未然に防げる
- 生理による神経質なストレスが減らせる
子宮を取り除くので、愛犬が子宮の病気になることを防げるのは大きなメリットですね。
また、ワンちゃんはデリケートなので、
ホルモンにより発生する諸症状で日常生活に支障をきたす例があります。
特に犬の生理も人間と同じで出血するため、
1〜2週間マナーパンツを履かせてあげる必要があります。
また、犬も生理中は元気がなくなったり、
食欲が減ったり、ソワソワしたりしてしまいます。
生理中は他の雄犬を刺激してしまう事もあるため、お散歩の時間をずらしたり、他の犬と触れ合わないようにしたりと、神経を使う事にもなります。
避妊手術をしておくことで、このような事は防いであげられます。
手術当日はすごく不安になりますが、
獣医さんからの事前説明をよく聴いて、手術成功を祈りましょう!
そして、術後1週間ほどはワンちゃんを安静にさせておく必要がありますので、そこに留意して過ごしてください。
避妊手術のデメリット
避妊手術においては、健康な体を傷つけるためリスクが伴います。
去勢と違って、女の子のわんちゃんの場合は、お腹を開くので更に心配ですよね。
主に下記のようなデメリットが挙げられます。
- 手術の全身麻酔による体調不良(特に出血の影響)
- 術後の経過で副作用が起こる場合がある
- 食欲の増進による肥満のリスク
- 妊娠できなくなる
- 手術費用がかかる(3~8万円ぐらい)
避妊手術は全身麻酔で行います。
病院側が管理を徹底しても麻酔事故のリスクは存在し、絶対に起きないという保証はできないそうです。
病院によって違いますが、もちろん、手術前に色々と検査もしてくれますし、万が一、術前検査で異常が見つかれば、まず改善して、わんちゃんが万全の状態になってから手術をしてくれます。
実際に私の友人のところのわんちゃんは、手術前に貧血が見つかり延期になっていました。
手術をする獣医さんにたくさん相談して、納得できたら手術を決めましょう。
また、麻酔時間が短い獣医さんや、痛みのコントロールが得意な獣医さんなど、さまざまな獣医さんがいますので、まずはネットでお近くの動物病院について調べたり、人に聞いたりして、病院を選ぶといいですよ。
もしも、繁殖を望む場合は、避妊手術は受けさせないという選択もあります。
ただ現在、多頭飼い飼育放棄も問題視されていますし、無闇に繁殖させてしまうのは、わんちゃんにとっても、飼い主さんにとっても、良くない結果を招きかねません。
本当にワンちゃんにとって避妊手術が必要かどうか、冷静に考えてみましょう。
また、避妊の費用については、大体ですが、
小型犬で40,000〜60,000円
大型犬で60,000〜80,000円
くらいです。
犬の避妊手術の流れ
避妊手術はどのような流れで行われるのでしょうか。
獣医さんによって変わってはきますが、
一般的な流れを詳しくみていきましょう。
手術前
まずは、わんちゃんの身体検査や血液検査、レントゲン検査などを行います。
麻酔をかけられる状態か確認するんですね。
手術当日
朝ごはんは抜いて(場合によっては、前日の夜ご飯も抜く事もあります。)絶食の状態で病院へ連れて行きます。
なぜ絶食が必要かというと、全身麻酔をかけると嘔吐を起こすことがあり、窒息や誤嚥性肺炎を防ぐためなんです。
手術時間は、およそ30分~1時間くらい。
手術後
避妊手術は多くの場合が開腹手術になり、体の負担が大きいため、1泊入院になることが多いです。
今は、腹腔鏡手術という開腹しない手術方法もあり、その方法なら日帰りが可能なケースもあります。
わんちゃんの健康状態を確認してからの退院となります。
その後、お腹の抜糸をするまでの1~2週間は、わんちゃんを安静にさせ、傷をなめないように術後服やエリザベスカラーを装着させてあげます。
犬の避妊手術の費用はいくらかかるの?
犬の避妊手術の費用は、獣医さんや犬の大きさにより変わってきますが、
大体30,000~80,000円程度が一般的です。
手術を受ける獣医さんに確認してみましょう。
本当に愛犬に避妊手術が必要かどうか考えましょう
犬の避妊手術は、健康的にも社会的にもメリットはありますが、
やはりわんちゃんの体への負担は大きいものです。
手術当日は、やはりとても心配になります。
しかし、病気の予防や、ストレス軽減など、わんちゃんにとって良いこともたくさんあります。
今回ご紹介した避妊手術のメリット・デメリットをよく考えていただいて、
本当にワンちゃんにとって避妊手術が必要かどうか、冷静に考えてみましょう。